海の魚を食べてもなぜしょっぱくないのか?海の塩はどこに消えた?

海の魚を食べてもなぜしょっぱくないのか?海の塩はどこに消えた?

海の水と塩辛さ

私たちがすむ地球の表面の約70%は海に覆われており、面積にすると約3億6千万平方キロメートルにもなります。また1番深いところで10920メートルもあり、地上で1番高いエベレストもすっぽり入ってしまうほどです。

海水には塩素やナトリウム、硫黄、マグネシウム、カルシウムなどが溶けていますが、このうち塩素とナトリウムだけで85%にもなります。

塩素(Cl-)とナトリウム(Na+)の化合物が塩(NaCl)なので、海水はしょっぱいのです。

原始海水が形成された43憶年前までは塩素を主成分とした酸性の海水だったのですが、この海水が雨となり地上に降り注ぐことで岩石に含まれるナトリウムと反応しながら中和され、現在のような海ができたとされています。

全ての生命の母とも揶揄される海にはとてつもないほどの種類の生物が暮らしていると考えられており、現在の予想では約1,000万種類以上の生物がいると推定されています。これは陸上の100万種類の10倍以上もの数にもなります。

海の中には多種多様な生き物が暮らしているわけですが、その中には私たちの口の中へと運ばれるものだっています。エビやカニなどの節足動物やタコやイカなどの軟体動物、マグロやアジなどの魚類。どれもこれも食卓で見るやつらばかりですね。

彼らを刺身で食べてみると思うことは1つ

「なぜあんな塩辛い環境の中で生きているのに塩辛くないんだ…?」

そうです。魚たちは塩辛い海の中で暮らしているのにその身は全然塩辛くないのです。どうしてでしょうか?

塩類排出機構

答えから書くと「身体に入った塩類を排出する機能を持っているから」ということになります。

自分の汗を舐めたことはありますか?笑

しょっぱいですよね。

ヒトが余分な塩を汗や尿を介して排出するように、彼らもまた高度な塩類排出機構を備えているのです。

ヒトを含めたほとんどの生き物の体内塩分濃度は約1%。対して海水の塩分濃度は約3.5%。体内の塩分濃度より海水の塩分濃度の方が高いので、浸透圧差によって身体からどんどん水分だけが抜けていくことになります。

もちろん、そのままでいると脱水症状をおこし干からびたミイラのようになるのは必然。これを防ぐために海の生き物は塩類を積極的に排出する機構を身に付けました。これは「尿」「エラ」からその秘密を解明することができます。

尿編

まずは尿。海水で暮らす生き物の尿は量こそ少ないですが、多量の塩類を含んでいます。

いくら塩類を効率よく排除する機構が備わっていても実質上水分を摂取しないと生きていけないので、彼らは仕方なく海水をガブ飲みします。

海水には大量の塩類も含まれていますが、経口摂取した海水は腸で吸収され真水と塩類とにキチンと分けられた後、腎臓にて少量の真水と多量の塩類とを混ぜ合わせて尿とし、排出されます。

真水を海水から得るほかないので、必然的に腎臓の機能を強化しより少ない真水の中により多い塩類を凝縮する進化の道を辿ったのです。

エラ編

また、エラにも塩類を排出する秘密があります。

もともとは酸素濃度の低い海水中でも効率よく酸素を得るためにエラが発達してきたのですが、機能は酸素取得だけに留まりません。

エラには塩類細胞と呼ばれる特殊な細胞があり、腸で吸収された余分な塩類を集めて捨てているのです。

以上の「尿」と「エラ」による積極的な塩類排除機構により海で暮らす生き物でも体内の塩分濃度は約1%になるよう調整されています。これが海の生き物が塩辛くない理由です。

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