南極や北極の海でくらす魚が凍らないのはなぜ?

南極や北極の海でくらす魚が凍らないのはなぜ?

海水温度と魚

本格的な冬のシーズンに入ると、ニュースやテレビ番組などでよくとりあげられるワカサギ釣り。

氷を張った湖の上でがっちり防寒装備を着込む釣り人たちにスポットばかりいきがちですが、「そもそもなぜ氷の下でワカサギは生きていけるのか」考えたことはないでしょうか?

血液の主成分は水で、水は氷点下になると凍り始めます。なら氷の下にいるワカサギはみんな凍ってしまうのではないか?

考えれば考えるほどわからなくなるこの疑問。実は水の性質と魚の体液濃度を理解することで簡単に氷解します。

通常の物質は熱を持てば比重が軽く、逆に冷却することで比重が重くなる性質があります。しかし、水だけ例外で水の比重が一番大きくなるのは4℃の時です。

比重が大きくなる=底に沈むということなので、外気温が氷点下以下になり湖面が凍結してぶ厚い氷を張ったとしてもその下の海水温度は4℃前後あります。

このように実は氷の上より氷の下の方が温度が高く氷点下以下にならないので、血液は凍りません。

また、魚の血液にはミネラルや塩分が含まれており凝固点が下がっているので-0.7℃程度までだったら血液凝固に耐えることができます。

この2つの理由により、氷の下でもワカサギは生き延びることができます。

これは冬場に凍ってしまう湖に住む魚全般に言えることで、メダカのような小さな生き物でも備えているメジャーな耐凍戦略です。

しかしこの耐凍戦略が通用しない地域があります。そう、南極と北極です。

極圏の海水は-1.8℃前後。ヒトだったら海ポチャしただけで心臓麻痺を起こすレベルです。

こんな環境ではヒトならずワカサギのような寒さに適応した魚でも生き延びることはできません。凍りついてしまいます。

ですが、極圏でも平然と生きている魚がいることも事実です。彼らはなぜ凍らないのでしょうか?

不凍タンパク質の恩恵

通常温帯等で生きている魚の血液は-0.7℃以下になると凍り始めますが、極圏で生きる魚の血液はとあるからくりが仕組まれているため凍りません。

ときには-2℃まで低下する環境下で-0.7℃までしか耐えれなかったら、絶滅してしまいますからね。

このからくりは「不凍性タンパク質」と呼ばれるもので、この不凍性タンパク質が血液に混ざっているので極圏の魚は凍らないのです。

さて、そもそもなぜ血液が凍ると生物はしんでしまうのでしょうか?

水が凍るとトゲトゲとした氷の結晶になります。1度形成された氷の結晶は近くにある水を巻き込んでどんどんと大きくなり、その表面の凹凸で組織を破壊し、機能を失活させます。

各組織や器官の機能が失われるととうぜん、その生き物は生存できません。これが血液凝固が生物の“し”に直結する理由です。

不凍性タンパク質はこの氷の肥大化を防ぐ効果を持ちます。

氷の結晶は結晶同士が結合してどんどん大きくなるのですが、不凍性タンパク質はその結晶の表面とくっついて、他の結晶と結合して肥大化するのを防ぐのです。

不凍性タンパク質が結合した氷の結晶は成長が止まりそれ以上広がらないので、このタンパク質を持った魚たちは極圏のような極寒地域でも生き延びることができるのです。

ちなみに「氷の下は外気温より温かい」理論は極圏でも有効で、事実極圏で生きる魚たちを釣り上げるとあまりの寒さにカチンコチンに凍り付いてしまいます。

海水の冷たさには耐えれるのに陸の寒さには勝てない魚もなんだか不思議ですね笑

ではまた!

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