睡眠と体温の関係から理解する「寒いところで寝るとしぬぞ!!」

睡眠と体温の関係から理解する「寒いところで寝るとしぬぞ!!」

映画や漫画でよく使われる「寝るな!寝たらしぬぞ!」の1コマ

観ている側としてはその瞬間はドキドキハラハラで考える余裕がありませんが、後になると「なんで寝たらしぬんだろう?」って思ったことありませんか?

最早テンプレートとして受け入れられている雪山で寝る⇒しぬですが、実際のところはどうなのでしょう?

ということで、今回は寒いところで寝るとしんでしまうのかを解説していきたいと思います。

体温調節機構

ヒトは温度、湿度、光、音などの環境変化に対して、身体の内部環境を一定以内に維持するシステムを備えています。

温度の変化に対応するシステムは体温調節機構と呼ばれ、体内環境維持には欠かすことのできないものです。

日中夜で10℃以上の気温の変化がある時でも、季節的には30℃~40℃もの変化がある時でも対応できるのは体温調節機構のお陰です。

ヒトの体温調節機構は主に筋肉や内臓からの熱産生皮膚からの放熱によって成り立っていますが、実はこの機構は体内時計を通じて睡眠と連動しているのをご存知でしょうか?

体内時計と体温調節機構

地球上の生物には、ほぼ1日の周期(24時間~25時間)で繰り返される体内時計が存在しています。

体内時計は地球上で何億年も生命を紡いできた生物が、変化の激しい外部環境に対応するために進化の過程で手に入れた形質で、どの生物でも生まれ落ちた瞬間に持っている内蔵型の時計です。

体内時計は1日を1つの周期としてリズムを刻み、特定の時間毎にホルモン分泌や血圧・体温調節などの生理活動を厳密に制御しています。朝に目が覚め、夜になると眠くなるのも体内時計が大きく関係しています。

この体内時計の本体は脳深部の「視交叉上核」にあり、ここから指令を出すことで1日の生体リズムを作っています。

一方、熱産生・放熱は脳の「視床下部」にあり、体内時計から指令を受け取った視床下部は時間の進行に応じて変化する体温基準値にちかづくように熱を産生したり、または放熱をして体温を調節しています。

この2つのシステムによって、ヒトの体温は厳密に調節されています。

そしてその瞬間は睡眠時であっても例外ではありません。

寒いところで寝るとなぜしぬのか?

読者らの中で寝つきの悪い人はいらっしゃいませんか?

そんな人は寝る前に自分の末端体温を測ってみてください。めちゃくちゃ低いはずです。

逆に寝つきのいい人は末端体温がとても高く、手足がぽかぽかしているはずです。

なぜでしょうか?

実はヒトは入眠時に深部体温を下げ、脳と身体を休養させる仕組みを備えています。

深部体温を下げるためには放熱機構が働く必要性がありますが、その時に最も活躍しているのが手足の末端部分です。

血液は深部で得た熱を手足などの皮膚表面から放熱することで深部体温を下げているのです。

寝つきのいい人は深部体温がしっかり下げられているので手足がぽかぽかし、逆に寝つきの悪い人は手足がもともと冷たく、深部体温が下げられないのでなかなか入眠に移行しません。手足の温度は入眠のサインなのです。

ヒトはこの機構を使って入眠時には体温を約1℃低下させると言われています。

「え、たったの1℃?」と思われるかもしれませんが、深部体温が1℃変化することで体内の生理活動は大きく変化します。

生体を維持するうえで欠かすことのできない化学反応の中に代謝と呼ばれるものがあります。

代謝は簡単に言ってしまえば食べた食物からエネルギー(熱)を取り出す反応のことで、この化学反応の中心には酵素と呼ばれるタンパク質があります。酵素はどこでもいつでも働けるわけではなく、37℃-40℃付近で最も活発に機能することが知られています。

ですので、ヒトの平均体温は約37℃(36.89℃)で保たれているのです。

では、ここから体温が1℃下がったらどうなるでしょう?

37-1=36℃になるわけですが、1℃下がったら酵素は途端に元気をなくします。

この結果、代謝率、つまり熱を産生する機能の割合が13%-15%下がります。

これが寒いところで寝るとしんでしまう主な理由です。

確かに熱を逃がさないように防寒具を着込むことも大事ですが、そもそも熱が産みだされなかったら防寒具を着ても意味などありません。逃がす熱がありませんからね笑

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