閉経の時期は出生時ですでに決まっている!?卵子の数は一生増えない!!

閉経の時期は出生時ですでに決まっている!?卵子の数は一生増えない!!

卵子の元となる卵母細胞

人間に限らず、生物の生殖つまり子供を作るためには卵子と精子が出会って受精する必要があります。人間の女性にも卵子があるため、この細胞が元気であれば健康な赤ちゃんを産めるということになります。

さてこの卵子ですが、卵巣という器官の中に蓄えられた始原生殖細胞と言う生殖に特化した細胞が変化してできるものです。

始原生殖細胞は体細胞分裂を繰り返して、卵原細という細胞に変化します。

この卵原細胞は体細胞分裂の後で栄養が少なく、成熟していませんから暫くジッとして卵黄を蓄積し成長するまで待ちます。

皆さんが俗に言う『卵の黄身』部分こそまさしく卵黄のことで、ここには受精やその後に必要となる栄養がたっぷり詰まっています。だから、卵は高タンパクなんですね。

卵黄を蓄えた卵原細胞は一次卵母細胞へと変化し、減数分裂を経て卵子になります。

図に表すとこんな感じです。

(出典:生物ⅠB(第一学習社)

とは言っても、出生後にすぐに卵子が作られるわけではありません。

卵子ができる=出産の準備が整うことで、出産はとてつもない体力を消費する行為なので体が出来上がるまでは排卵されないように体がストップをかけているためです。

具体的には、出産直後では一次卵母細胞の減数分裂・前期で進行が止まっている段階です。

ここから体が成熟し、出産に耐えられる時期になったら減数分裂を開始させる女性ホルモンの影響で一次卵母細胞から卵子へと変化します。

そう、この時期が『初潮』の時期なのです。

ここから閉経に至るまでおよそ月1回のペースで排卵が起こるのですが、実は閉経の時期自体は既に出産時期から決まっていることを知っているでしょうか?

それもそのはず。

この卵原細胞は1度増殖をストップしたらそれ以上新たに増えることがないからです。また、卵母細胞から卵子へと至るプロセスである減数分裂は「分裂」とは名ばかりで数が一向に増えません。

つまり、卵子の元となる卵原細胞は数に限りがあるのです。

数に限りのある細胞達

卵子の元となる卵母細胞は、胎生時期5ヵ月頃に最も多くなり、約700万個が作られますが、その後は一気にその数が減少します。

女児が産まれた時点ではすでに200万個近くまで数を落としており、月経の起こる思春期頃には20-30万個まで数が減ります。

(出典:一般社団法人 日本生殖医学会 年齢が不妊・不育症に与える影響)

700万個から30万個まで卵母細胞の数は減少しますが、補充されることはありません。

卵母細胞の大元である卵原細胞は1度増殖がストップするとそれ以降増殖が再開することはなく、また卵母細胞1つから作られる卵子の数もたったの1つなためです。

ここで

「え、でも卵母細胞が20-30万個あるんだったらちょっと減っても大丈夫じゃん。排卵なんて月に1回だし、一生の間になくならないでしょ」

と思われるかもしれませんが、大きな勘違いです。

卵母細胞から卵子が作られるプロセスは生理周期とは無関係に起こっています。若い時には1日に平均30-40個の卵子が卵母細胞から作られ、月に約1000個前後の卵子が作られます。

ほとんどの卵子はすぐに消えてしまいますが、ごく一部が数カ月をかけて排卵のための卵子として成熟します。

この卵子は月1回の周期で卵巣の壁を破って外に飛び出します。これが「月経」と呼ばれる現象です。

月経では確かに1個の卵子しか排卵されませんが、卵子の元になる卵母細胞自体は月に1000個程度のペースで失われて行っています。

卵母細胞は数を増やしませんので年齢を経るごとに卵母細胞の数が減っていき、卵巣の中にある卵母細胞の数が約1000個を切ったら閉経となります。

ここで始端と終端がわかった訳ですから、単純計算で閉経の時期が計算できます。

項  目
月経が始まる時期の卵母細胞の数 30万個
閉経が始まる時期の卵母細胞の数 1000個
日に失われる卵母細胞の数 30個

月経が始まる時期の卵母細胞の数-閉経が始まる時期の卵母細胞の数

=30万個-1000個=29万9000個

=29万9000個/30個

=9966日

初潮から9966日で閉経のタイミングとなるので、これを年換算してみます

9966/365≒27

ということで、初潮から閉経まで約27年間という計算になります。

初潮も閉経も個人差がありますが、ここでは初潮=13歳、閉経=50歳と考えれば

50-13=37で、実態としては初潮から閉経まで37年間あるという計算になります。

…………

うん、計算とちょっとあいませんが個人差の問題です。

事実、40代で閉経になる方もそう珍しくはありません。皆さんの周りにもきっとおられるかと思います。

ちょっと締まりが悪いですが、このように卵母細胞の数は出生期で既に決まっているので、閉経の時期も実は出生直後からおおよそ決められているということになっています。

卵母細胞の数が増えない=質の低下=不妊

さて、では卵母細胞の数が増えないということは実際どのようなことに繋がってくるのでしょうか?

上記でも触れた通り、卵母細胞はそのままの姿でずっと体内にある非常に珍しい細胞です。そのため女性自身の年齢とリンクして年をとっていきます。そう、卵母細胞自身も老化するのです。

40代、50代になるとシワやシミが増え、目元も窪んできてきます。それと同様に卵母細胞も細胞自体が劣化してきて染色体異常を起こしやすくなるのです。

染色体異常を起こした卵子は受精卵になったとしても受精のプロセスが正しく進行しないので育たない、育っても胎生期の時点で流産しやすくなるということが多くなります。

特に生殖細胞の中でも卵細胞というのは染色体異常を起こしやすいもので、長らくこの理由は分かっていませんでした。

近年の研究では卵細胞の大きさが関係があるのではないかというふうに考えられています。

卵細胞は人体の中でも最も一つあたりが大きな細胞で、そのコピーには大きなエネルギーと複雑な過程が必要なため、エラーが起こりやすいというのが現在の主流の考え方です。

人それぞれに持っている卵子の数が決まっており、それがなくなってしまったり老化してしまえば妊娠できない、というのが医学界での定説でした。

現在でもそれは変わっていませんが、不妊治療の薬の開発の過程で卵巣が新たな卵子を作り出したという研究結果も報告されており、この常識が覆るかもしれません。

しかしながら舞台自体の老化や卵子の劣化と言う数々の難題をクリアするまでに、時間がかかりますのでやはり出産に適した年齢というのは当分変わることはないと言えます。

また出産に関して女性ばかりが年齢を気にする風潮がありますが、男性の方も決して無関係ではないのです。

確かに体の構造上70歳でも80歳でも男性の精巣は新しい精子を生み出しますが、その受精能力は年齢とともに落ちていきますし、精子も分裂の際に染色体異常を引き起こすことが報告されています。

そのため男性由来の不妊や、正常ではない受精や着床などもあり得るためやはり男性の方も若い時の方が健康な生殖を行えると言えるのです。

現代は高度に複雑化した社会であり、結婚や出産までに経済力を求められる傾向にあります。そのためには長い教育機関を経てから独立しなければならないため、日本のように晩婚化が進んでしまうのです。

しかし経済的に余裕が出る30代から40代になって初めて子供を作るということになると、生物学的にはやや遅いと言えるタイミングですので、今後生殖細胞への研究が進んだとしてもこの構造自体を変えていく必要があると言えるでしょう。

また現在は不明であっても今後研究が進んでいくにつれ、女性の体の中に残っている卵細胞の数をカウントできる技術も発達する可能性があります。

そうすれば妊娠の可能性についてさらに精密な予想が立てられますので、今後の不妊治療などに役立っていくでしょう。

ということで、今回は卵母細胞と閉経の時期について見ていきましたが、どうでしたでしょうか?

今回はちょっと数があいませんでしたが、一応計算上はああいった形で閉経の時期を計算することができます。

現代医療でも現在の卵母数を逆算することが可能らしいので、将来的にはもっと踏み込んで閉経の時期を予め知ることが可能になるかもしれませんね。

ではまた!

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