ウシは肉食動物!?ベジタリアン気取りの彼らはどこで肉を食う?

ウシは肉食動物!?ベジタリアン気取りの彼らはどこで肉を食う?

異性に積極的なタイプを肉食系

異性に消極的なタイプを草食系

と、いまではヒトの恋愛事情において当たり前のように使われるこのフレーズ

本来は

お肉を食べて生活する動物を肉食動物

草を食べて生活する動物を草食動物

と呼ぶのは知っていますよね?

これは外見的特徴から判断することもできます。

肉食動物は他の動物を捕食するという性質上、大きな体躯に鋭い爪や牙を持ちます。

草食動物は植物を食べるので、爪や牙はありません。代わりに草を咀嚼するために平べったい歯を持ちます。

では、ウシはどうでしょう?

ずんぐりむっくりした体躯に鋭い爪のない脚、歯も平べったくていつも草をむしゃむしゃむしゃむしゃ…。

どう見ても、草食動物のソレです。

ですが、実はウシは草食動物ではなく肉食動物なのです。

今回は、私がウシを肉食動物だとする根拠を解説していきたいと思います。

定義付け

では、そもそも肉食動物と草食動物の定義について見ていきましょう。

肉食動物(にくしょくどうぶつ、英: Carnivore)は、動物の体に起源する食物を主に摂取する動物である。

引用:Wikipedia 肉食動物

草食動物(そうしょくどうぶつ)とは、生きている植物を主な食物とする性質、すなわち草食性を示す動物のことである。

引用:Wikipedia 草食動物

そのまんますぎて、要点を押さえる必要性すらないように感じますが、要は何を栄養源として摂取しているかが1つのラインだとしています。

生物はタンパク質、炭水化物(糖)、脂質を栄養源としていますが、これを

肉食動物は動物を食べることによって

草食動物は植物を食べることによって

摂取しているわけですね。

では、ウシの生活を見てみましょう。

朝:水を飲んで草を食む

昼:水を飲んで草を食む

晩:水を飲んで草を食む

たまに塩分摂取のために岩とかを舐めたりします。

…あれ?肉食べてないじゃん???

そう。彼は草しか食べていません。

植物細胞は70%が水分から、残りの30%が糖やタンパク質から成り立っています。

そして、この30%の内、半分以上はセルロース(糖の高分子)から成り立っています。

となると、ウシが草から摂取している栄養源はほぼほぼ糖だけなのです。

上記でも触れた通り、生物はタンパク質、糖、脂肪を摂取しないとその生命を維持できません。

ですが、ウシが草から摂取しているのは糖だけ。

タンパク質と脂肪は何から摂取しているのでしょう?

これを理解するためには反芻動物を理解する必要があります。

胃が4つある生き物

反芻動物とは、植物を食べるのに適応した哺乳類のことを指します。

ウシやヤギはこの反芻動物に所属する動物です。

彼らは本来、他の生物が栄養源として利用できない草を最大限に利用するためにとある特徴を持ちました。

それが胃の複数化です。なんと、反芻動物は胃が4つあるのです。

第1胃~第4胃まであるのですが、第4胃以外はダミーの胃で、食道を由来にして進化したものです。事実、第4胃以外では胃酸の分泌が行われていません。

そして、この第1胃~第3胃が反芻動物の命を握っています。

特に第1胃は胃全体の80%以上、消化管全体から見ても半分を占めていますので、ただの草から血肉を生産する過程で、この第1胃が大きく関係しているのは明白です。

ということで、反芻動物の胃についてもう少し詳しく見ていきましょう。

反芻動物の胃の中に潜むものたち

草を食べるだけで全ての栄養源を摂取できる秘密は胃自体…というより、胃の中に秘密があります。

なんと反芻動物は胃の中で微生物を飼っていのです。

反芻動物が食べた草は第1胃の中に入ります。

植物はセルロースのほかにヘミセルロースやリグニンなど多くの繊維性物質が含まれていますが、実はこれらの成分を消化できる酵素を動物は持っていません。

そこで微生物の力を借ります。

胃の中に住んでいる微生物達の中には、セルロースを分解することのできる酵素を持つものもいます。

反芻動物が口から入れたセルロースなどの繊維性物質はこの微生物の力によって、発酵分解されて酢酸や脂肪酸(VFA)を産生します。

この脂肪酸(VFA)は体を動かすエネルギー源であり、ウシはこの脂肪酸を吸収して、エネルギー源として利用しています。

また、発酵でできあがるのは脂肪酸だけではありません。

身体を構成するアミノ酸も微生物の力を借りて摂取しています。

口から入る草には糖の他にもタンパク質が含まれています。微生物はこのタンパク質を発酵させ、アミノ酸、次いでアンモニアまで代謝させます。

アンモニアはアミノ酸合成に必須な分子の1つです。これを使って、微生物は菌体タンパク質を産生します。

ウシはこの時に産生された菌体タンパク質を分解・吸収することでアミノ酸を摂取しています。

ウシは微生物の力を借りて初めて脂肪やタンパク質を摂取することができるのです。

では、微生物はどうしてこんなことに力を貸しているのでしょうか?

微生物も生きていく上で、栄養が必要になります。とりわけ、糖は全てのエネルギー源となるので、糖の確保が至上命題となります。

では、糖がたくさん確保できる場所はどこか?

そのアンサーの1つとして、反芻動物の胃の中があります。

糖を主成分とする草を食む反芻動物の胃の中は糖で溢れています。微生物はこの場所でなら、糖をせこせこと集めなくてもいいと判断したのでしょう。ここに住み着くことに決めました。

ですが、一方的に微生物が胃の中にいられてもウシ側としてはたまったものではありません(栄養が横取りされるわけですから)。

これを解決するために、微生物側も糖の利用としょば代を払うために自分達の代謝産物である脂肪酸やタンパク質を宿主である反芻動物に受け渡すことにしました。

このように両者にとって、WINWINとなるような動物の関係を共生といいます。

ここまでをまとめると、要は

ウシのでっかい胃の中は微生物がひしめく発酵漕になっていて、ここに草を投入すると発酵によって、脂肪酸タンパク質ができあがる。反芻動物はここで産生された脂肪酸とタンパク質を吸収することで、草だけでも生きることができるのだ。

と捉えてくれれば大丈夫です。

ウシは肉食か?

さて、ウシが肉食動物だとする理由に戻りましょう。

一番最初に私は『何を』栄養源とするかが1つの判断基準だと仮定しました。

ウシが草によって直接的に得られる栄養源はほぼほぼ糖のみです。

この糖を利用して、間接的にタンパク質と脂肪を産生しています。

タンパク質と脂肪を直接的に摂取するには、微生物の発酵現象と菌体の産生が必須です。

つまり、ウシは『微生物を』栄養源とする側面も持ち合わせているのです。

微生物は動物?植物?

では、微生物は動物でしょうか?植物でしょうか?

微生物は真正細菌、古細菌、菌類を含めた“小さな生き物”の総称で、特定の分類群を指しているわけではありません。

そして、動物と植物はどちらもそれらに該当しない真核生物ですので、そもそも微生物は動物でも植物でもないのです。

それでも動物プランクトンや植物プランクトンのように微生物の中でも動物的又は植物的な性質を持ち合わせているものもいます。

動物プランクトンは生育に必要な炭素を得るために有機化合物を利用する従属栄養生物で、この点では動物寄り

植物プランクトンは生育に必要な炭素を得るために無機化合物や光合成を利用する独立栄養生物で、この点では植物寄りだと言えます。

ウシの胃の中にいる微生物も草を栄養源として生育している以上は植物よりは動物に近い存在だと言えるでしょう。

そして、それを利用・分解・吸収して生きているウシは何でしょう?

どう見ても、肉食動物ですよね。

草を食べるシマウマを捕食するライオンが肉食動物であるように

草を食べる微生物を消化・吸収するウシもまた肉食動物です

これが、私がウシを(ひいては反芻動物全体を)肉食動物だとする理由です。

ということで、今回はウシを肉食動物だとする理由を書いていきましたが、どうでしたでしょうか?

実はこれ、私が中学生のときに理科教師が「ウシは肉食なんだぞ~。ガッハッハッハッ」と言っていたのをヒントに書き起こしました。

当時は「このおっさん、何言ってんだ…」状態でしたが、改めて考えると一理あるようにも思えます。

ということで、記事ネタを暮れた懐かしき先生に感謝して締めたいと思います。

ではまた!

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