触りたいのに触れないジレンマ!南極観測隊がペンギンと触れ合えないワケ

触りたいのに触れないジレンマ!南極観測隊がペンギンと触れ合えないワケ

ペンギンはとても可愛らしい生き物で、多くの人を魅了しています。

ずんぐりむっくりとした体型、よちよち歩き、あったかふわふわな毛皮と可愛いポイントを挙げればキリがないと思います!

ペンギンが生息する南極から遠く離れたこの日本でも人気で、水族館のマスコットキャラクターとして活躍する子達もいますよね。

そんなペンギン達を毎日間近で見ることのできる人達がいます。

そう、南極地域観測隊です(以下、南極観測隊と呼称)。

南極観測隊は平たく言ってしまえば、南極地域のアレコレを調べるためのエキスパート集団です。

人類が南極点に初めて到達したのは1911年のことで、あれから100年余りが経ちましたが、あの極限環境下では調査が捗ることもなく、調査員を毎年送ることで観測を行っています。

ですが、実は南極には独自のルールが定めてあって、南極観測隊もその制限下の中で観測を行っています。

その中の1つに「ペンギンとの接触に関する項目」があり、南極観測隊もおいそれとペンギンに近づくことはできないって知っていましたか?

今回はそんな南極観測隊とペンギンについて見ていきましょう。

南極条約

さて、突然ですが南極はどこの国の領土でしょう?

実はどこの国の領土でもありません。

南極を発見した当初はそこに眠る資源を求めて諸国が領土権の主張を始めましたが、最終的には人の手が全く入っていない稀少な土地ということで「共有財産」として扱われるようになりました。

これは日本やアメリカ、イギリスなどが主導国となって採択した「南極条約」と呼ばれる条約で公にも認められることになります。

南極条約(南緯60度以南の地域が該当)では南極地域の平和的利用を定めた南極条約によってさまざまなものが定められています。

条約の概要としては

・主目的である南極地域の自由と平和的利用
・科学的調査の自由
・核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
・南極地域の領土主権の凍結

があります。

Don’t touch me!

日本では南極条約を締結しているので、この議定書の実施の確保をするために国内で「南極地域の環境の保護に関する法律」が定められました。

この法律の中で今回紹介する「ペンギンに触れない旨」が規定されています。

詳細に言いますと

南極地域の環境の保護に関する法律

別表第六 南極特別保護地区ごとの要件(第十二条関係)

第三十二南極特別保護地区

第七項

当該地区内では、次の表の上欄に掲げる種ごとに、下欄に掲げる距離よりも近づかないこと。

ペンギン目に属する種(繁殖地にいるものに限る。):十メートル

ペンギン目に属する種(換羽中のものに限る。):五メートル

(引用:南極地域の環境の保護に関する法律)

ということになります。

上記でも触れましたが、南極地域は手つかずな土地や未解明な生態系も多く、まだまだ全貌は明らかになっていません。

また、こういった場所も地球の中では珍しくなってきました。

よって、人が南極地域の生態系を乱さないためにこのようなルールが定められることになったのです。

これにより、南極観測隊はペンギンに触ることはおろか、近づくことすらできないのです。

法の抜け道

ですが、ネットで回っている画像の中には明らかに観測隊とペンギンとが触れ合っている写真があります。

これはどういうことでしょうか?

もういちど原文をよく読んでみましょう。

当該地区内では、次の表の上欄に掲げる種ごとに、下欄に掲げる距離よりも近づかないこと。

そう、「近づかないこと」とありますね。

私は語学関係を専攻している訳ではないので、どのような変形かは知りませんが、「近づかない」は「近づく」を原型とした否定文であることはかろうじて理解できます。

そして「近づく」という言葉は「(こちらから)近づく」という前置きがつくことも理解できます。

つまり、この法律では“自発的な接触を禁止しているのです。

ペンギン側からの接触については何も触れられていないのです。

これを抜け道として南極観測隊はペンギンとの触れ合いを楽しんでいます。

(「抜け道」と字面に起こすと非常に悪意があるように感じますが、そんなことはないです笑

ただ「もうどうしようもない状況なので楽しむしかねぇな!」くらいの心持ちで触れ合ってる…と思っています)

警戒心のないペンギン達

ペンギン達はとても好奇心が強く、また警戒心の無い生き物でもあります。

ペンギンの住む南極ではひとたび海中に潜ればシャチやアシカといった天敵を前に生き延びなければいけませんが、地上では天敵がいません。

卵やヒナを狙う鳥こそいますが、彼らのテリトリーは空中です。

つまり、ペンギン達の世界では地上で二足歩行をしている生き物はみんな同じペンギン=仲間だという認識があります。

なので、南極観測隊の人達を見かけると二足歩行=仲間だと思い込んで、よちよちと近づいてきます。

あとはお祭り状態です。好奇心の強さもあいまって、仕事道具をかたっぱしから荒らしていきます。それは船内も例外ではありません。

また、条約により南極観測隊からは触れないので追い払うことさえできません。

これには南極観測隊も苦笑いです笑

なにはともあれ、ペンギンの警戒心の無さがペンギン達との触れ合いではキーワードになっていることは間違いありません。

もしも、ペンギンが非常に警戒心の強い生き物でしたら、きっとペンギンと南極観測隊が同じフレームに収まることはないでしょう。

ということで、今回は南極観測隊がペンギンに触れない理由が書いていきましたが、どうでしたでしょうか?

あんな可愛い生き物を毎日モフれるなんて幸せだなぁ!とか考えている人がいると思いますが、逆ですよ!

むしろ毎日生殺しの日々でしょう。触りたいのに触れないジレンマ…心中お察しします笑

ではまた!

   関連記事はこちらから

http://whattodo-onlife.com/2018/12/01/post-985/

http://whattodo-onlife.com/2018/11/20/893/

http://whattodo-onlife.com/2018/11/09/post-849/

http://whattodo-onlife.com/2018/07/19/post-184/

http://whattodo-onlife.com/2018/07/18/post-179/

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする