感覚器では刺激の差異や強弱をどうやって識別しているのか?【皮膚・鼻・舌編】

感覚器では刺激の差異や強弱をどうやって識別しているのか?【皮膚・鼻・舌編】

触覚器:皮膚

触覚器である皮膚では、皮膚に存在する種々の感覚器官が触覚を感じると、その刺激を電気信号へと変換することで触覚を感じることが可能になっています。

皮膚が触覚、温覚、化学物質といった刺激を受容して電気信号へと変換するメカニズムは非常に複雑で個別的すぎるので、今回は触覚だけに注目します。

触覚と一口に言っても、刺されるような圧覚からやんわりと押される圧覚まで様々です。

これはどうやって識別しているのでしょうか?

皮膚には体表への機械的刺激を受容する触覚受容器が主に4つあります。

マイスナー小体

圧力に対し速やかに順応し、振動によく反応します。

パチニ小体

圧力に対し非常に速やかに順応し、振動によく反応します。

メルケル触盤

圧力に対し遅く順応し、持続的な皮膚への圧力によく反応します。

ルフィニ終末

圧力に対し遅く順応し、持続的な皮膚の変形によく反応します。

圧力に対して順応速度が異なる感覚器を複数扱うことで、瞬間的な圧力持続的な圧力かを識別できるようになっています。

振動などの圧力の変化が絶えず伴う圧覚は順応速度が早い細胞が反応することで、その経時的な変化パターンを瞬時に捉えることができます。

物体が押し付けられた時のような圧力の変化が伴わないような圧覚は順応速度が遅く反応することで、持続的な圧力の存在を捕らえることができます。

嗅覚器:鼻

嗅覚器である鼻では、鼻の穴の奥にある嗅細胞がトラップした空気中の化学物質を電気信号に変換することで、匂いを嗅ぐことが可能になっています。

鼻から吸気と共ににおいの元になる物質が入ってくると、鼻腔天蓋部にある嗅上皮に溶け込みます。

嗅上皮の先端には嗅細胞が存在しており、溶け込んできた化学物質を受容するとそれを電気信号に変換して、脳へと送ります。

臭いの嗅ぎ比べのメカニズムは後述する舌の味比べのメカニズムと似通っています。

ただ、異なるのは味を識別する受容体には厳格な特異性がありましたが、嗅細胞には特異性こそあるもののそこまで厳格ではないという点です。

ヒトでは嗅細胞が396種類も存在しています。

これらの嗅細胞は特定の化学物質とだけでなく、いくつかの似通った化学物質と結合できる仕組みになっています。

あえて厳格な特異性を持たせないことで嗅細胞が結合できる化学物質の組み合わせを莫大な数にしています。

この組み合わせを脳が処理することで匂いをかぎわけることが可能になっています。

味覚器:舌

味覚器である舌では、舌表面上に存在する味蕾(みらい)が味を感じ取ると、味蕾が味の基になった化学的情報を電気信号へと変換することで味を感じることが可能になっています。

舌表面には乳頭と呼ばれる多数の小突起が存在しています。これは舌を触ってもらったらざらざらとした感触がするのでおわかりでしょう。

この乳頭の凹凸により表面積を増し、味を鋭敏に感知することが可能になっています。

この乳頭には味蕾という味受容体が存在しています。

味蕾は縦長形をしており、50-150個程度の細胞から構成されています。

味蕾は外来から受け取った化学物質と接触すると、その情報を電気信号へと変換します。

では、味の差異はどうやって判別しているのでしょうか?

皆さんは5基本味という言葉を知っているでしょうか?

甘味、塩味、酸味、苦味、旨味のことで、全ての味はこれら5種の味から構成されていると考えられています。

この5味の相対比によって味を判別しています。

ということで、この5基本味の相対比を受容する細胞が味の差異を判別する細胞ということですね。

これらの細胞はそれぞれ

甘味受容体

塩味受容体

酸味受容体

苦味受容体

旨味受容体

という名前が付けられています。そのまんまですね笑

それぞれの受容体はそれぞれの味にのみ特異的に反応します。

例えば、甘味受容体は甘味にだけ反応し、それ以外の味には反応しないということです。

受容体の反応した数がそのまま電気信号へと変換されると、感じた味によって受容体毎の電気信号に強弱がつきます。この強弱を脳が相対比として分析することで味比べをすることができます。

好きな味と嫌いな味

実は、生物は生来的に好む味と嫌う味とが決まっています。

好む味:甘味、塩味

嫌う味:酸味、苦味

エネルギー源であるグルコースは甘く、浸透圧の調節や神経伝達に必須な塩化ナトリウムはしょっぱいです。これらは生体に必要な要素なので、生来的に好まれる味となっています。

対して酸味や苦味というのは自然界においては腐肉や毒のある食物を口にした時に感じる味覚です。生体にとって有害なものなので、生来的に嫌う味となっています。

本来、味は食物を楽しむためにあるものではなく、口に入れた食物が適当かどうかを瞬時に判断するためのツールでしかないのです。

ということで、今回は感覚器について見ていきましたが、どうでしたでしょうか?

普段外界の情報を何気なく受け取っていますが、実はその差異を判別するメカニズムは案外複雑です。

同じ刺激でもその強弱や差異が見分けれることはとても大事なことです。

なぜなら、人生の豊かさに直結するからです。

音の違いがわからなければ音楽は楽しめません。

味の違いがわからなければ食事は楽しめません。

色の違いがわからなければ綺麗な景色は楽しめません。

頼もしい感覚器があるからこそ私達は人生をエンジョイすることが可能になっています。

これを機に感覚器との付き合い方を見直してはいかがでしょうか?

ではまた!

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