細菌だっていちゃいちゃしたい!“性”を持つ細菌の驚くべき床事情!

細菌だっていちゃいちゃしたい!“性”を持つ細菌の驚くべき床事情!

ウィンドウショッピングを楽しむ仲睦まじい男女、桜の並木道をしんなりと楽しむ老夫婦、一瞬一瞬を燃え尽きるかのように青春に投じる青年、子供の健やかな成長を微笑ましく見守る夫婦

そういった光景を目にして思ったことがあると思います。

「俺(私)もいちゃいちゃしてぇ~!!ッッ」

これはヒトだけに限ったことではなく、他の生物でも同様のようで繁殖相手とは濃密な時間を過ごしています。

時にはパートナーを食べたり、生殖能だけ残して同化したり…。うん、愛の形はそれぞれですよね!!笑

さて、ではもっと小さくて“性”の概念もなさそうな細菌ではどうでしょうか?

「細菌はいちゃいちゃしないだろぉ…。ましてや交尾なんてどうやってやるんだ…?」

と思われそうですが、細菌だっていちゃいちゃしますし、交尾だってします笑

その合瀬の時間がこちらです

(引用:http://fb.ru/article/179833/kak-razmnojayutsya-bakterii-pri-blagopriyatnyih-i-neblagopriyatnyih-usloviyah)

見れば見る程、有性生殖を行う高等な生物と同じ方法で交尾してるのがわかるかと思います。

今回はこの細菌の交尾について見ていきたいと思います。

交尾とは

まずは交尾の定義づけから行いましょう。Wikipediaでは交尾を

交尾(こうび、英:mating)、交接(こうせつ)とは、体内受精をする動物の生殖行動において、異個体間で配偶子をやり取りするために互いの体の一部をつなぎ合わせる行為のこと。

(Wikipedia:交尾)

と定義しています。

交尾で大事なことはただ1点。それは「互いの遺伝子を混ぜ合わせること」です。

生物の最終的な目的地は子孫繁栄で、その手段として交尾をしています。

この過程で「互いの遺伝子を混ぜ合わせること」はとても重要な意味を持ちます。

それが、昨今よく耳にする多様性です。

互いの遺伝子を混ぜ合わせ、多様性を持たせることで種全体としての環境適応力を高め、次代の発展を期待しているのです。

多様性を持たない種は同環境に対する適応は担保してくれますが、新環境への適応は担保してくれません。

よって、生物にとって交尾というものはとても重要な位置を担っており、これが存在目的だと言っても過言ではありません。

それは細菌も例外ではありません。

細菌の交尾

さて、まず上記の画像のような細菌の交尾は専門的には接合といいます。

性繊毛と呼ばれる管を用いて雄から雌へと、その身体を結合しているのがわかるかと思います。

これをWikipedia風に喩えるなら、まさに

互いの体の一部をつなぎ合わせる行為のこと。

と表現してもいいでしょう。

そして、その目的も高等生物の交尾と同じく「互いの遺伝子を混ぜ合わせること」です。

まさに細菌も

互いの遺伝子を混ぜ合わせることを目的に

互いの体の一部をつなぎ合わせる行為

をしているので、傍から見ても立派な交尾をしているわけです。

ただ、遺伝子を伝播する先が新しい個体ではなく、個体間同士だけでの遺伝子伝播という点で私達の交尾とは趣が異なります。

単細胞生物である細菌は自分の遺伝子を変容させれば、形質にダイレクトに影響するのでわざわざ新しい個体を作ってまで遺伝子の混ぜ合わせをしなくてもいいのです(コスト面から見ても妥当です)。

また、伝播する遺伝子も私達とはちょっと異なります。

自分の中に他人が!プラスミドとは

細菌の接合において主に伝達されるのはプラスミドと呼ばれる環状DNAです。

通常、真核生物、原核生物共に核に存在するDNAは紐状の構造をしています。反して、このプラスミドと呼ばれるDNAは環状をしており、核外、つまり細胞質内に存在しています。

また、環状構造以外にも面白い性質を有しています。

それがプラスミド自身が独立して複製機構を持っていることです。プラスミドは細菌のDNAとは全く別個の存在として複製をしてコピー数を増やしているのです。

自分のDNAと全く別個の複製機構を有しているという点で察しの良い読者らはお気づきかもしれませんが、このプラスミドは“自己”ではありません。

事実、プラスミドに生存に必須な遺伝子がのっかっており、プラスミドの有無が存在自体に関わる場面はほとんどないです(長い年月の間にほぼほぼ完全に同化しているものもいますので、プラスミドがないと生きていけない細菌もいます。そこは生物なので完全に一括りにはできません)。

ただ、プラスミドの有無で環境への適応度が全く異なります。

特に臨床の分野ではRプラスミドと呼ばれる薬剤耐性遺伝子をてんこ盛りにしたプラスミドが頭を悩ませる存在でしょう。

淘汰と生存を繰り返してできあがった“優秀”なプラスミドを細菌が接合を繰り返して交換することで薬剤耐性菌がモリモリと増殖してくるわけなのです。

本来はAという薬剤によって除去が可能な細菌がAに耐性のある遺伝子を受け取ることでAが全く効かなくなった…というのはこういった業界ではよく耳にする話です。というか、日常茶飯事です。

このように細菌は本来“非自己”であるプラスミドDNAに環境への適応度を向上させる遺伝子を乗っけて他の細菌に伝播することで種全体としての多様性を得ているのです。

要はプラスミドDNAを皆の共有財産兼キャリアーとして運用することで遺伝子の伝播を達成しているのです。

このメカニズム、まさに交尾と言えるでしょう。

細菌にも性がある!?

この交尾を見て

「でも遺伝子の伝播は機械的な混在であって、性があるわけではないんでしょ?」

って感じてしまう、もしくは言葉に出したくもなるでしょうが、実は細菌にも性が存在しています。

私達と同じように雄や雌といった概念が、実は彼らにもあるのです。

というより、彼らの接合という交尾形式から原始的な性を垣間見ることができます。

私達ヒトが外見上、性を区別できるように細菌も外見で性が区別できます。

上記の画像では毛むくじゃらの細菌と不毛地帯の細菌とがいますが

毛むくじゃらの細菌を

不毛地帯の細菌を

としています。そして、これまたヒトが染色体から性を区別できるように細菌もDNAから性を区別できます。

この時に出てくるのが、Fプラスミドと呼ばれるプラスミドです。

Fプラスミドを持つ細菌はF繊毛と呼ばれる繊毛(性繊毛のことです)を持ち、中空の管からプラスミドを伝播できるようになります。これはまさに雄ですね。

Fプラスミドを持たない細菌は繊毛を作ることができないので、他の細菌から遺伝子を伝播するのを待つほかありません。これは雌ですね。

前者をF+、後者をF-と呼ぶのが習わしです。

F+細菌はF-細菌を発見すると性繊毛を使って抱え込み、接合することでF-細菌の中にプラスミドDNAを放出します。

プラスミドDNAを受け取ったF-細菌は自分にはないDNAを受け取れるので多様性が広がり、環境適応力が上がります。

また、F+細菌もプラスミドDNAを受け取るのでこちらも多様性が広がります(伝播といっても完全なる一方通行ではないため)。

どちらにとっても有益な行為なのです。

ちなみにFプラスミドが伝播した場合はF-細菌がF+細菌へと変貌することがあります。性事情は細菌も人間も変わりませんね笑

ということで、今回は細菌の交尾について見ていきましたがどうでしたでしょうか?

細菌にも性というものが存在していて、私達ヒトと同じように遺伝子の伝播を行っているので細菌はそんなに遠くの存在じゃないんだよ~

ということが伝われば幸いです。

ではまた!

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