アルコールパッチテストの原理と遺伝学【お酒との付き合い方を科学する】

アルコールパッチテストの原理と遺伝学【お酒との付き合い方を科学する】

自分がお酒に強いか弱いかを知ることはとても大事です。

自分がどの程度お酒に強いかを知ることができれば、お酒とのうまい付き合い方を考えることができるためです。

飲みなれている人でもお酒の強さを客観的に知ることができれば、経験則からもある程度“限界”というものを知ることができます。

さて、そんなお酒への適正を知る手法としてアルコールパッチテストというものが存在します。

アルコールパッチテストは

・未成年でもお酒の強さを知ることができる

・飲酒に対する意識が高まる

・客観的に適正を知ることができる

・簡易である

という点で有用で、実用性も高いです。

近年では未成年の飲酒問題を見かねてからか、お酒との接点ができ始める大学生を対象に大学側が積極的にアルコールパッチテストを推奨している場合も散見され、飲酒の危険性などを含めてお酒に対する正しい知識を深めるチャンスとして有効活用していることもあります。

さて、そんなアルコールパッチテストについて見ていきましょう。

やりかた

ごく一般的な家庭にあるものですぐに試すことができます。皆さんも試しにやってみましょう!

用意するもの

・消毒用アルコール

・絆創膏

これだけです。

手順

手順1.絆創膏のガーゼ部分にアルコールを2-3滴垂らす

手順2.上腕などの皮膚の柔らかい部分に【手順1】の絆創膏を貼る

手順3.7分程度待って、絆創膏を剥がす。皮膚の色を確認したら、元に戻す

手順4.さらに10分程度待って、絆創膏を剥がす。皮膚の色を確認する。

結果のみかた

手順3の時点で既に赤くなっていた場合…タイプ1

手順4の時点で赤くなった場合…タイプ2

手順4の時点でも変化がなかった場合…タイプ3

タイプ1:お酒が全く飲めないタイプ

いわゆる下戸と呼ばれる人達です。

コップ1杯程度のお酒で顔が真っ赤になり、足元が覚束なくなります。

飲酒を勧められたら断固として断ってください。

タイプ2:お酒がふつうに飲めるタイプ

日本人に最も多いタイプで、ちょっとした飲酒を嗜むことのできる人達です。

ただし飲みすぎると顔が赤くなったり、足元が覚束なくなるのはタイプ1と同じです。

無理をしない範囲で楽しむようにしましょう。

タイプ3:お酒に強いタイプ

いわゆる上戸と呼ばれる人達です。

とてもアルコールに強く、浴びるかのように飲んでも変化がありません。

反面、顔にはでづらいので限界が来ても他人からしてみれば「まだ飲めるのでは…?」を誤解されたり、暴飲で倒れることもあります。

日常的にお酒を飲んでも明日に響きにくいので、アルコール依存や健康被害などの潜在的リスクが1番高いタイプでもあります。

このタイプの人は、お酒に強いからこそ付き合い方を考えたいですね。

肌の色が変わる人と変わらない人

皮膚から体内に吸収されたアルコールは脱水系酵素や酸化系酵素の働きでアセトアルデヒドという物質に変化します。

このアセトアルデヒドは人体にとって有害な物質で、動悸や息切れ、酩酊、吐き気を引き起こします。二日酔いの原因物質ですね。

なので、このアセトアルデヒドを分解することのできる酵素を私達は持っています。

しかし、アセトアルデヒドの分解酵素であるALDH2がうまく機能するかどうかは個人差があり、それは遺伝的に決まっています。

これがうまく機能する人は体内で生成されたアセトアルデヒドを速やかに分解できますが、全く機能しない人はアセトアルデヒドを分解できずに毛細血管が拡張され、皮膚が赤くなります。

これが変化する人としない人の原理です。

ではもう少しこのALDHについて見てきましょう。

ALDH2の遺伝子多型

アセトアルデヒドの分解を担う酵素はALDH1とALDH2が存在していることが知られていますが、主に後者が機能しています。

そして、このALDH2は多様な遺伝子多型が存在することでも知られています。

その中でも特に有名なのが487番目のアミノ酸がグルタミン酸からリジンに置換する1塩基置換です。

酵素はタンパク質から成り立ち、タンパク質はアミノ酸から成り立っています。

よって、アミノ酸の配列が酵素の機能や活性を決定しています。

ALDH2もまたその法則に支配されています。

上記でも触れた通り、ALDH2には487番目のアミノ酸がグルタミン酸からリジンへと置換した異常型が存在します。

具体的にはグルタミン酸を指定するGAAの並びの内、先頭のGがAに置換することで、リジンを指定するAAAに変わっています。

グルタミン酸がリジンへと変化したALDH2は酵素と基質の結合部分の立体構造が変わって、正常な機能を失っています。

つまり

グルタミン酸型(正常型):アセトアルデヒドを無毒な酢酸へと分解することができる

(ALDH2*1と呼ぶ)

リジン型(異常型):アセトアルデヒドを無毒な酢酸へと分解することができない

(ALDH2*2と呼ぶ)

の2パターンのALDH2があることになります。親からは遺伝子を片方ずつ受け取るので、子のお酒への適正は3パターンに分類されます。

*2/*2型:お酒に弱い。タイプ1の人

*1/*2型:お酒がすこし飲める。タイプ2の人

*1/*1型:お酒に強い人。タイプ3の人

これら3パターンです。

今回はアルコールパッチテストについて書いてみました!

小さいころにこのテストやったなぁ…というのを思い出したので、記事にした次第です。

正直、お酒に強いか弱いかなんかは話の本質ではなく、お酒とのうまい付き合い方を考えることがこのテストの本質だと個人的に思っています。

遺伝子変異の中でも有名な1塩基置換についても“さわれる”ので、これを機会に遺伝学について興味を持ってもらえたら幸いです。

ではまた!

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