大量出血と貧血との差は○○にある!大量出血で血液に補充されないモノとは

大量出血と貧血との差は○○にある!大量出血で血液に補充されないモノとは

私たちの身体を流れている血液は体重の約1/13、割合にして約8%を占めています。

この血液量の内、1/3を失うと命の危機に、2/3を失うと心停止などの重篤な症状をきたすと言われています。

日常生活で負うキズは静脈性出血のケースが大半ですので、出血が命に関わることは知っていても、危機感を持たれたことはないと思います。男性の場合は!

女性は血液に関する知識が男性より多いです

それもそのはず。彼女たちは閉経の時まで月1でどばどば血を流す機会があるのですから、失血、特に貧血について詳しくもなるはずです。

私(筆者)は男性ですが、貧血について興味が出た時がありました。

ええ、お察しの通り第二次性徴期の時です。

とは言っても、女の子の日に興味があるといったワケではなく、単純に「大量出血と貧血の違い」について学問的な見地から興味が湧きました。

同じ出血量であっても大量出血に分類される場合と貧血に分類される場合とでは一体何がどう違うのか?

見ていきましょう。

(齢十数で惜しげもなく生物について人生を費やしていました。これで生物学専攻でなかったら、変態呼ばわりされてもおかしくありません笑)

血液とは?

まず、血液についてざっと見ていきましょう。

上記でも触れましたが、血液は全体重の1/13を占めており、その内の2/3を失うと心停止に陥ると言われています。

血液の主成分は液体成分である血漿が55%細胞成分を主体とする血球が45%と、血液の約半分は細胞から構成されています。

特に赤血球の割合は多く、血球45%の内、44%は赤血球です。

つまり、血液の約半分は赤血球と言ってもいいでしょう。

さて、お次は大量出血と貧血についてです。

大量出血と貧血

大量出血

出産や手術、事故によって血液が急速に失われる状態を指します。

その性質上、動脈血であることが多く、血の色は鮮紅色を呈しています。

一気に出血するので、酸素や栄養を運搬する血液が失くなることで、多臓器不全から命の危機に瀕します。

貧血

鉄分の不足や少量・長時間の出血によって、血中のヘモグロビンが通常より少なくなった状態を指します。

その性質上、静脈血であることが多く、血の色は暗赤色を呈しています。

一口に貧血と言っても原因は多岐に渡りますが、今回の記事では大量出血と比較したいので、出血性貧血だけを貧血と定義します。

さて、記事を読めばわかるのですが、大量出血と貧血には大きな違いがありますよね?

大量出血

急速な出血

血液量不足による臓器不全

貧血

緩やかな出血

ヘモグロビン不足による眩暈や立ち眩み

両者の最大の違いは出血速度にあります。これが大量出血と貧血との大きな差です。

では、出血速度が異なるだけでなぜ症状の重篤度がこんなにも違うのでしょうか?

秘密は血液のストックにあります。

血液のストック「細胞間液」

実は血液は体内を循環している血液が全てではありません。

いつ血液を大量に失ってもいいようにストックの役割を果たす血液も存在します。

これは「細胞間液」と言われ、名前の通り細胞と細胞の間を満たしている体液のことを指します。

細胞間液の最大の特徴は液体成分だけで構成されているという点です。血球がないので、必然的に赤血球も含まれていません。

しかし、栄養を運搬し血圧を維持するという点では即席の血液として代用できますので、大量出血を察知した時はこの細胞間液が毛細血管壁からじんわりと染み出し、失った血液を補充します。

ただ残念なことに、細胞間液が血液内に流入する速度はそこまで早くはありません。

この流入速度が大量出血と貧血との命運を分けます。

大量出血の場合

上記でも触れましたが、大量出血は動脈性出血でどばどば血が出るので、補充速度より出血速度の方が早い場合がほとんどです。

となると「出血速度>細胞間液による補充速度」の式が成り立ちます。

こうなるとヒトの持つ血液量維持システムのキャパを超えて大量出血の症状を引き起こすことになります。

貧血の場合

これに対して、出血性貧血の出血速度は静脈性出血なので、非常に緩慢です。

よって「出血速度<細胞間液による補充速度」の式が成り立ちます。

こうなるとヒトの持つ血液量維持システムのキャパ範囲内となり、栄養の運搬を果たす血液量は不足しません。

ここで問題なのが「栄養の運搬を果たす血液」が不足しないだけで、「酸素の運搬を果たす血液」が不足するという点です。

どういうことかと言うと…もうそのまんまです笑

細胞間液は血球を含みませんので、毛細血管壁を通して血液となった細胞間液にも血球は含まれていません。

そう、血球には赤血球が含まれていますので、血球成分のない細胞間液には赤血球は含まれていないのです。

ですから、細胞間液の補給だけでは血液量はリカバーできても赤血球のリカバーは後追となってしまうのです。

また、血液量が増えても細胞成分は取り戻せないので、相対的にも赤血球不足に陥ります。

これが貧血特有のあの眩暈や立ち眩み、だるさの原因です。

赤血球の産生にはしばらく時間がかかりますので、出血量と産生速度によっては1日寝込むのも頷ける話です。

これが大量出血と貧血との最たる違いです。

同量の出血量であっても、体内でカバーできるかどうかで命運をわけることになります。

大量出血は未然に防ぐことはできませんが、出血性貧血は未然の防止が可能です。

女の子の日が酷い人は体調管理に気を配りましょう!

そして、十数の時の疑問をたまたま受けた講義で解決できたことを感謝します。

ではまた!

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