アルコールランプの芯はなぜ燃えないのか?原理を知ればカップ麺を直火で温めれる!?

アルコールランプの芯はなぜ燃えないのか?原理を知ればカップ麺を直火で温めれる!?

さて、突然ですが皆さんはアルコールランプという実験器具を知っていますでしょうか?

「使ったことはないけど、聞いたことある!」「なつかしい~!」

と、年代がモロバレするような反応が返ってきそうですね笑

私が小学生の頃はアルコールランプを使って液体の気化や燃焼という自然科学的な現象を学びました。

そんなアルコールランプですが「なんで芯は燃えないんだろう?」と疑問に感じたことはありませんか?

「芯の部分の素材は不明だが、炎はめちゃくちゃ高温のはず。発火しないのはなんでだろう?」

って。

今回はそんな疑問を解決していきたいと思います。

(現在の小等理科教育では危険性が危惧され、徐々に姿を消しつつあります。寂しいですね)

芯に火は点いていない

アルコールランプの芯が燃えない理由はアルコールランプの燃焼メカニズムが理解できれば、すんなりと理解できます。

アルコールランプは非常に原始的な作りで、引火性物質であるメタノールを貯蔵している下部のビン部分着火点である芯の露出部分で成り立っています。

下部のメタノールは毛細管現象で芯に染み込んでいますので、火を近づけるだけで燃え始めるというものです。

さて、この時実際に燃えているのは芯ではなく、メタノール部分のみです。

一見すると芯の部分が燃えて火が点いているように見えますが、実際は芯から蒸発したメタノールが燃えているだけにすぎません。

眼を凝らしてじっと見てみると芯と炎との間にいくばくかの“空白”があります。これこそまさにメタノールが燃えているという証拠です。

と言っても、これだけで芯が燃えない理由とするには十分ではないです。

もう少し見ていきましょう。

2つの疑問点

ここで2つの疑問にぶつかると思います。

1つ目は「メタノールの蒸発部分しか燃えない理由は何でだ?」

2つ目は「なんにせよ芯の部分は高温になっているのでは?」

という疑問です。1つ1つ解決していきましょう。

1.メタノールの蒸発部分しか燃えない理由

燃焼が成立するための3要件は何でしたっけ?

1.酸素

2.可燃物

3.点火源

ですよね。どれか1つでも欠けていたら燃焼には至りません。

この内酸素は燃焼にとても大事な要素で、酸素供給源が断たれたら忽ち火は消えてしまいます。

これは液体でも同じです。

液体のメタノールでは酸素含有量が余りにも低いので、着火しても酸素が足らずに液体部分に火が点くことはありえません。

しかし、メタノールは揮発性があるので、気化したところで酸素と混ざり合います

ここに点火源を加えることで酸素という支燃性物質を得たメタノールは燃焼を始めます。

これはメタノールだけでなく、液体全般にも適用される現象で「蒸発燃焼」といいます。

これにより、芯を伝って蒸発したメタノール部分でしか燃焼しないようになっています。

2.芯の部分は高温になっているのでは?

「火って熱いんだから、芯も高温になるんじゃないの?」

確かに。火ってめちゃくちゃ熱いから伝播した温度で芯が焦げそうではあります。

まずはこちらをご覧ください。

(引用:アルコールランプの炎の温度分布)

最も冷たい赤炎の先端部分で630℃、最も熱い青炎の部分で1040℃と発火部分は高温を呈しています。

こんな高温体が周囲にあって芯を取り囲んでたら、四面楚歌。アッという間に消し炭になりそうですよね。

ですが、現実は違います。芯は健在です。

これはメタノールの沸点と気化熱によるものです。

メタノールの沸点は約65℃です。液体のメタノールはこれ以上の温度になりません。気化してしまうためです。

これはメタノールが染み込んだ芯でも同様のことが言えます。周囲がどれだけ高温でも芯の部分はメタノールが染み込んでいるため、65℃以上にはなりえないのです。

65℃以上になろうとすると沸点にまで達したメタノールが気化します。この際に気化熱として熱を奪っていきます。

メタノールの沸点と気化熱による熱の奪取によって、芯は燃えるほどの温度には至らないのです。

これらの理由で、アルコールランプの芯は燃えないのです。

沸点と気化熱を利用した裏ワザ!

さて、アルコールランプの芯が燃えない原理は他にも応用がききます。

個人的に興味が沸いたのは2つです。

1.紙鍋も燃えない!

紙鍋っていうのは、読んで字の如く「紙で作った鍋」です。

アルコールランプの豆知識を得る前では「んなアホな。どうせ耐熱性だろ」とか疑いの眼差しで見ちゃいそうですが、この記事を読んだ後では「なるほどね」となるはずです笑

(こういった小さなパラダイムシフト、知識の開拓が科学の醍醐味でもあります)

飯テロ!…ではなく、イメージです。

紙鍋の紙はただの紙です。厚紙ではありますが、それは食材を保護するためであり、耐熱性に寄与するものではないです。

水の沸点は皆さんご存知の通り、100℃

対して、紙の燃焼点は200-350℃です。

水に浸かっている部分は水の沸点以上には上昇しないので、紙が燃えることはありません。

ほんとうによくできた作りです。

動画で見たい方はこちらをどうぞ!

2.インスタトラーメンも直火で解決!

この原理、インスタントラーメンでも応用することができます。

やかんのない日も安全!安心!!

途中、水漏れで雲行きが怪しくなりますが、最後には美味しくいただけるようになります!

実は記事発想の順序はあべこべで、インスタントラーメンの話からアルコールランプへと至った次第です。

ですが、ただインスタントラーメンの直火を紹介しても「ふーん」で終わりそうですし、何の知識も見聞も得られないのでアルコールランプの話と絡めてみました。麺だけに。

ということで、皆さんもレッツインスタント直火!

ではまた!

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