海藻はなぜカラフルなのか?陸地と水中で異なる光スペクトルの事情!

海藻はなぜカラフルなのか?陸地と水中で異なる光スペクトルの事情!

暑さ極まる中、緑が青々と生い茂るようになってきました。この時期になると、日差しが強くなるので草木も急激に成長します。

さて、改めて陸上植物を見渡してみると見事に一面の緑です。

なぜでしょうか?

植物はその生命の維持や成長に光合成が欠かせません。光合成には葉緑体の中にあるクロロフィルと呼ばれる物質が必要です。クロロフィルは緑色をしていますので、それを持っている陸上植物も緑色をしています。

それに対して、海藻類は様々な色で溢れかえっています。

食卓でよく見かけるワカメこそ緑色ですが、ヒジキは黒色ですし、テングサと呼ばれる海藻は赤色です。

海藻サラダをよく食べる人にとってはそのカラフルさは馴染み深いはずです。

なぜ、海藻類だけ色のレパートリーが陸上植物に対して多いのでしょうか?

今回はその秘密を書いていきたいと思います。

海藻のグループと生息域について

海中や水中を生息域とし、肉眼で確認できるもの藻類を海藻と総称していますが、海藻は実は3つのグループに分けることができます。

1.緑藻類

2.褐藻類

3.紅藻類

です。彼らはその色によってグループ分けをされていますが、そもそも生息域も完全に独立しています。

緑藻類

緑藻類は海藻類の中でも最も陸上植物の生態や構造に近く、陸上植物の祖先だと考えられています。

そして、それは色も同様で緑藻類も緑色をしています。よって、緑藻類の持つ葉緑体も色素としてクロロフィルを持っています。

主な海藻:アオサ、アオノリ

生息域:水深の浅い所

褐藻類

その名の通り、褐色を呈した海藻類の仲間です。

海藻類の中では非常に大型の植物体を形成しており、数m~数十mの大きなモノもいます。そのほとんどが海産で、ワカメもこの褐藻類の仲間です。

褐色を呈している理由は葉緑体の中にクロロフィル以外にもフコキサンチンと呼ばれる赤褐色色素をたくさん持っているからです。

このフコキンチンと呼ばれる物質は青緑色をよく吸収して、吸収した光エネルギーをクロロフィルに渡すアンテナのような役割を持っています。

主な海藻:ワカメ、コンブ

生息域:水深が中程度の所

紅藻類

海藻類の中でも最もカラフルです。

紅藻類という名前ですが、紅色だけでなく様々な色を呈しています。

この多様な色の理由は葉緑体の中にクロロフィル以外にもフィコエリスリンやフィコシアニン、シホナキサンチンと呼ばれる様々な色素を持っているからです。

どの色素もその色と補色関係にある色の光を吸収して、吸収した光エネルギーをクロロフィルに渡すアンテナの役割を持っています。

上記で紹介した色素以外にもたくさんの色素を持っているようです。

(引用: 【第2回】海の中の赤い植物”紅藻”の謎)

緑・赤・黄・青の4つの色素を含んでいて、その含有量も季節や環境によって変動するからカラフルなんですね。

主な海藻:オゴノリ、トサカノリ

生息域:水深の深い所

光のスペクトル

さて、話は変わりますが光合成に使われる太陽光は実は7つの色に分けることができます。

プリズムを通すと大変わかりやすいと思います。

1.紫

2.藍

3.青

4.緑

5.黄

6.橙

7.赤

これら7色です。陸上では全ての色が一様に降り注いでいるので、プリズムのように一手間加えないとその色を肉眼で判別することはできません。

しかし、水中では事情が異なります。

難しい話は割愛しますが、水中ではその色の波長によって到達できる水深に差が出てくるからです。具体的に書くと

水深の浅いところまでしか到達できない色:赤色、橙色、紫色

水深の中程度までしか到達できない色:黄色、青色、藍色

水深の深いところまで到達できる色:緑色

(引用:同じ海藻でも色が違うのは、なぜなの? )

海藻の色と光の関係

ここまで書けば、カンの良い方は既にお気づきかもしれません。

海藻類も植物体と同じようにエネルギー生産を光合成に頼っています。しかし、光合成に必要な太陽光は海中では吸収や散乱のために到達できる水深にバラつきがあります。

赤色系は吸収され、青色系は散乱され、水深5mまでいけば緑色の光しか届きません。

この環境下で赤色と青色を吸収するクロロフィルしか持っていないと生存戦略の面から見て圧倒的に不利になります。

しかし、逆に考えればその環境下で緑色を吸収する色素を持っていれば持っていない他の藻類に比べて圧倒的に有利になります。

このように海藻は光合成に必要な光エネルギーをより効率よく吸収するために、その水深に応じてクロロフィル以外の色素を持つようになりました。

よって、海藻は様々な色をしているワケですね。

陸上とは異なる水の中の光環境に応じて進化してきたわけで、海藻類にとっての生活の知恵ということです。

ではまた!

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