熱中症の種類や予防方法をさらっとおさらい。水だけの補給はなぜダメ?

熱中症の種類や予防方法をさらっとおさらい。水だけの補給はなぜダメ?

高温多湿な夏という時期を迎えて怖いのは食虫毒だけではありません。熱中症も命を脅かす危険な存在です。

毎年この時期になると体育の授業やウォーキング、職場での熱中症が報じられ、場合によっては命をなくす方もいます。特に31度以上になると爆発的に増加する傾向があり、平成27年では968名の方が、平成28年では621名の方が熱中症によって亡くなっています(厚生労働省調べ)。

ですが、熱中症は正しい知識を持っていればそれほどこわくはありません。今回は、そんな熱中症について書いていきたいと思います。

熱中症の定義

熱中症はWikipediaでは

熱中症(ねっちゅうしょう、heat stroke, sun strokeということが多い)とは、暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこる状態の総称である

(引用:Wikipedia 熱中症)

と定義されており、噛み砕いて説明するなら

「身体が耐えうる暑さの限界を超えたことで起こる症状の総称」

と言い換えることができます。

熱中症の種類

熱中症は総称なので、さらに細かく分類することができます。

熱虚脱

高温環境下で皮膚下の血管が拡張することで、脳に流れる血流量が低下し、代償的に心拍数が増加することで起きます。

症状:全身倦怠、脱力感

熱失神

皮膚下の血管が拡張することで血圧が低下することで、脳への血流が瞬間的に不十分になることで起きます。

症状:めまい、失神

熱痙攣

大量の発汗があり、水のみを補給した場合に血液の塩分バランスが崩れことで起きます。

症状:こむら返り

熱疲労

大量の発汗があり、水分や塩分が失われ、ショック脱水症状を起こことで起きます。

症状:めまい、吐き気、嘔吐、頭痛

熱射病

直射日光などに長時間さらされ、排熱以上に熱を受けて、熱が体内にこもってしまうことで起きます。

体温調節中枢機能が麻痺し、機能しなくなりますので、体温が上がり続けます。

場合によっては40℃以上の高体温にもなり、熱中症の中で最も重症化しやすいです。

症状:意識障害、呼吸困難

熱中症の原因と症状による分類

熱中症の原因は多岐にわたりますが、おおよそ3つの理由で発症します。

1.脱水による体温上昇

2.体液の塩分濃度の崩壊

3.体温上昇に伴う血圧/血流量の低下

また熱中症の重症度を「具体的な治療の必要性」という観点から、重症度を3段階まで区分することができます。

Ⅰ度:応急処置で対応可能

症状:立ちくらみ、筋肉痛、発汗

Ⅱ度:病院で診てもらうレベル

症状:吐き気、嘔吐、倦怠感

Ⅲ度:救急搬送の必要があり、命に関わるレベル

症状:高体温、四肢の運動障害、痙攣

総じて、重症度を判別するポイントとしては意識の有無だといえるでしょう。比較的意識がハッキリしている場合は給水や休憩することで回復もしますが、意識が朦朧若しくはない場合は救急搬送の必要性があります。

予防方法

熱中症をおこす外的要因として「環境」と「身体」が挙げられます。

環境:気温が高い、湿度が高い、風が吹かない

身体:睡眠不足等で身体が本調子でない、激しい運動により排熱以上の熱が篭る、過剰飲酒

ということで、熱中症を予防するにはこういった要因を排除する措置を取る必要があります。具体的に見ていきましょう。

身体の面から

日々の生活習慣を見直す

熱中症にかかりやすいかどうかは個人差があります。この個人差は肥満体型、糖尿病などの持病、飲酒や喫煙の程度、体調不良によって起きます。

どれも日々の生活習慣を見直し、それでもどうにもならない場合は「自分は熱中症にかかりやすい体質なんだ」と割り切って行動するようにしましょう。

水分や塩分を補給する

高温環境下では発汗により水分や塩分が失われますので、喉がかわいていなくても水分と塩分を補給するように心がけましょう。

特にスポーツドリンクはおすすめで塩分と一緒に糖分も入っていますので、小腸粘膜での吸収効率が格段にあがります。ポカリスエットはその典型例でナトリウムの含有量もさることながら糖も含まれてますので、運動時にはおすすめです。

家庭で用意される場合は水に塩を混ぜるか市販のタブレットを用いるといいでしょう。

ちなみに建設業界の弊社ではタブレットと水を使用しています(安いので笑)。

睡眠環境を整える

熱帯夜となり、暑く寝苦しくなる季節ですが、寝不足も熱中症の遠因の1つです。

睡眠不足は注意力の散漫や集中力の低下を起こし、ケガを起こしやすくするだけでなく、体温調節を担う中枢の機能も低下させます。また、深夜まで起きようとカフェインを過剰摂取するとそれを尿と一緒に排出しようと、脱水症状も起こりやすくなります。

エアコンや扇風機を使用するのはもちろん、寝具にも気を配り、通気性・吸水性の高いものを使うようにしましょう。

環境の面から

外部環境を把握する

熱中症の外的要因としては気温だけでなく、湿度や輻射熱も挙げられます。

この気温・湿度・輻射熱の3つを考慮した熱ストレスの評価をするための指標としてWGBTというものがあります。

普段の生活では耳慣れないワードですが、建設現場や工場などでは夏になると気温より真っ先に注意しなければいけない数値です。

こういった数値を測定し、高ければエアコンや扇風機の使用、窓の開放などを行いましょう。外部環境を整えるだけでなく冷却グッズを用いることでも対応が可能です。この場合は、首周りから冷却すると効率的に身体を冷やすことができます。

衣服にも気を配ろう

大量の発汗をしようにも汗で衣服がピッタリと貼り付いていたり、長袖で体温が逃げないなどの衣服事情があると熱中症リスクが高まります。

衣服は通気性の良いものを選び、下着は吸水性の高いものを選びましょう。

また、直射日光を受けない工夫も大事で、帽子を被ったり、日陰を歩いたりすることで直射日光を浴びないようにしましょう。

予防方法番外:水のみの補給は危険

意外と知られていないようですが、水のみの補給は熱中症リスクを高めるどころか脱水症状を進行させることになります。

詳しくは大塚製薬の効率的な水分補給に記載されている通りなのですが(というかすごいわかりやすい)、それで締めてもアレなので私からも“ちゃちゃ”を入れていきたいと思います笑

全ての動物にとって、塩分は生理的に不可欠なものです。塩分は体液の中で浸透圧の維持という重要な役割を果たしており、ヒトの体液は0.9%の塩分濃度で保たれています。

このバランスが崩れると身体は均衡状態を保とうと脳から様々な指令を出します。

例えばシカの塩分摂取なんかが有名です。

鎖を食べるシカ…ではありません

彼らはベジタリアンなワケですが、野菜ばっかり食べてたら塩分を補給することは難しいです。そこで不足しがちな塩分を錆びた鎖から摂取しているというワケですね。

このように水分と塩分濃度のバランスは厳密に管理されており、少しでも狂うと致命的な問題に関わってきます。

さて、大量の発汗をした際に水だけを大量に補給すると当然に、体内の塩分濃度が低下します。

すると、体内の塩分濃度のバランスを保とうと水の補給をストップすると共に余分な水を尿として排出するように脳から指令が出ます。

これを「自発的脱水」といいます。

こうなると汗をかく前の体液が回復できなくなり、運動能力と低下と共に体温が上昇して、熱中症の原因となるのです。

今回は熱中症について書いていきました。この記事を作成している時点でも熱中症で命を落とす方がいらっしゃるようです。

特に児童は「どこにそんなエネルギーがあるんだ」と感じるくらいに活発に動く子もいる一方で排熱機能が不十分で、また自分の体調に関してうまく説明できない子もいます。

私だけでなく他の様々な記事を見て、熱中症についての正しい知見を身につけてもらえれば幸いです。

ではまた!

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