有給休暇の消化について!正しい知識で申請を捩じ通せ!

有給休暇の消化について!正しい知識で申請を捩じ通せ!

有給休暇に関する労務問題の中で最もトラブルになりやすいのが、今回ご紹介する“有給休暇の消化”についてです。

これは有給休暇を使いたい従業員vs何かしらの理由で従業員に休まれると困る企業側とで起こる問題で、有給休暇の消化率が低い日本では特に問題となっています。

時季変更権の行使条件

前の記事でもご紹介した通り、有給休暇の使用については企業側は拒否することができません。これはそもそも有給休暇の発生が法律上当然に発生するものであり、それに付随する消化も当然の権利として認められているためです。

ですが、従業員全員が好き好きに有給休暇を取ってしまうと業務が回らなくなってしまうことは想像に難くありませんよね?

ということで、企業側は有給休暇の申請に対して「他の日にしてくれないか?」とお願いすることができる“時季変更権”と呼ばれる権利を行使できます。

この権利を行使するためには客観的に「事業の正常な運営を妨げる」理由がないとできないことになっており、これがない場合には申請後ただちに有給休暇の使用が成立します。

「事業の正常な運営を妨げる」とは

ここで出てくる「事業の正常な運営を妨げる」の基準とは

「事業の内容、規模、労働者の担当業務の内容、業務の繁閑、予定された年休の日数、他の労働者の休暇との調整など諸般の事情」

の総合的な判断であり、一義的な解答を出すことは難しいです。ですが、噛み砕いて言うならば

「有給休暇を使用しようとする当該従業員が使用日において行おうとする労働内容が他者では達成することが難しく、また代替要員を充てることが困難」

な状況のことです。

代替要員確保の重要性

特に過去の判例では代替要員の確保が重要とされており

1.職務内容にどの程度代替性があるか(つまり、プロフェッショナルや専門家でないとできない仕事ではないのか)

2.代替要員の確保が可能な状況か

3.代替要員を確保する時間的猶予があったかどうか

これら3点を以て判断されます。

さて、ここで大事なことは代替要員を育て、確保することは企業側の責務であり、これをしないことを理由に時季変更権を行使することは許されていないということです。

もしも本当に業務が回らないのであれば、代替要員を育ててこなかった企業側の落ち度であり、従業員が非難される理由がありません。

また、同様に慢性的な人手不足を理由に拒否することもできません。

有給休暇使用の理由を聞くことは許されているのか

さて、話は変わりますが有給休暇の申請に理由を聞かれる場合があると思います。

申請書には必ずと言っていいほど、その事由を聞く項目が存在しますよね。

有給休暇の使用は労働者に完全に委ねられているので企業側から理由を聞かれるのはおかしいのではないか?と感じる方もいらっしゃると思いますが、これは一定範囲内の下で許されています。その一定範囲内とは

「時期変更権を行使できる環境が整っているとき、変更行使件を控えるかどうかの判断材料にする」

ときのみ許されています。

有給休暇使用の理由の如何によって時季変更権を行使するかどうか決めることは許されてなく、過去の判例「弘前電報電話局事件」でも言及されています。

とは言っても従業員が有給休暇を消化できない理由はさまざまあり、ここで紹介した時期変更権を濫用した妨害の他に

・こんな忙しい時に休暇を取ろうとするだなんて身勝手だ。と自責の念を植えつける

・申請を○○日前に設定していたのに、それが守られていなかった。と不備を突く

・有給の消化に伴い注意力が低下し、企業側に損害を出した。と損害分を請求する

といった方法で有給休暇の消化に水を差し、妨害してくるパターンがあります。

これらはどれも許されるものではなく、最後のは既に脅迫と言っても差し支えないものとなっています。

従業員の意識やモラルの欠如などで有給休暇の使用に関して良いイメージを持った従業員は日本には少ないですが、与えられた権利ですのでしっかりと使っていただきたいなと思います。

ではまた!

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