細菌の増える条件4つ!【栄養・pH】

細菌の増える条件4つ!【栄養・pH】

前回に引き続き、今回は細菌が増える条件として栄養とpHを書いていきたいと思います。

栄養

細菌も動物と同様に外環境から栄養を摂取して生命を維持・増殖しています。細菌は身体が小さく栄養を取り込むスペースがありませんので、栄養がないと途端に増殖がストップします。

イメージ的には

温度は増殖速度を左右する最大因子

栄養は増殖ON/OFFの切り替えスイッチ

と言ったところでしょうか。

細菌の栄養源は多種に及び、有機物はもちろん無機物まで利用可能です。種を限定しなければ割かし何でも栄養源としますので、全部を書くことはできませんが石油、水素、硫化水素を栄養とする種も存在します。この能力を使って環境美化に使用できないかと画策されたこともありました。

身の回りで細菌の栄養源として成立しそうなものはまず食品が挙げられます。特に高タンパクの食肉類は細菌たちにとっても大好物です。

次に風呂場の排水溝でしょう。人から出たフケや皮脂も細菌にとって栄養の宝庫です。同様に、部屋に舞うホコリやチリも細菌の住処となります。ホコリやチリに絡んだ毛髪や皮脂も好物だからです。

進化の果てにたどり着いたプラスチック菌

今では、世界中の至る所でプラスチックが包装として使われています。

ですが、プラスチックの廃棄までは厳密に管理されておらず、山中や特に海辺に投げ捨てられている光景が見られます。悲しいことです。

ですが、全人類が毎日大量に投棄している割にはプラスチックゴミで山や海が溢れかえることはそうそうありません。なぜでしょうか?

理由は細菌がこれらを栄養源として分解しているからです。もともとプラスチックは自然界には存在しないものですので、これを消化し、栄養にできる生物は元来存在しないはずです。

ですが、細菌達はこれを如何にして利用できないものかと考えたのでしょう。進化を繰り返し(細菌の間で“進化”は常日頃起こっています)、これを栄養源とするものがとうとう現れたというワケです。

詳しくは知らないのですが、生物が分解して栄養源とする以上はプラスチックを分解してタンパク、脂質、炭水化物を生成するのでしょうね。不思議なことです。

こういった進化も細菌の生存戦略の1つです。自然界に溢れかえったプラスチックを栄養源として利用できるようになったということはどこにでもある物質を誰とも競合することなく餌として認識できるようになったということです。大きなアドバンテージを得たワケですね。

※細菌が分解してくれるからと言って投棄は絶対にやめましょう。

pH

pHも細菌の増殖にとって大事な要素です。ほとんどの種ではpH7(ほぼ中性)で最もよく増殖することが知られています。

酢漬けはpHを低くして細菌が繁殖にしにくくした保存食の代表例と言えるでしょう。

胃の中でも増殖できるピロリ菌

このpHと細菌の関係性のお話しをする時に必ずやり玉にあげられるのがピロリ菌と呼ばれる細菌です。

ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍と深い関わりのある細菌として注目を浴びています。

従来では胃の中に細菌が住み着くとは誰も予想していませんでした。ご存知の通り、胃の中は胃液が分泌されており、そのpHは1-2程度と極端に低かったためです。こんな酸化的環境は生物が生きていくには過酷すぎるだろうと考えていたのです。

しかし、ピロリ菌はこのような環境の中でも平然と過ごしています。彼らの至適pHは4-6であり、4以下では生きていけません。なぜ生きていけるのでしょうか?

答えは彼らが分泌する物質にあります。その物質の名はウレアーゼと呼ばれる酵素で、この酵素は尿素を分解してアンモニアを作り出す機能を持っています。アンモニアはアルカリ性物質ですので、酸をアルカリで中和することで胃酸の中でも彼らは生きていけるのです。

さて、前回とあわせて細菌が増殖する条件として

・温度

・湿度

・栄養

・pH

を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?細菌が増殖しない環境を作り出すことは現実的に不可能ですので、うまく付き合っていきたいものですね。

ではまた!

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