食中毒の原因菌について

食中毒の原因菌について

7月という高温多湿な季節が今年もやってきましたが、先月に食中毒警報が発令されたということを皆さんは知っているでしょうか?

6月-10月にかけては温度や湿度の上昇と共に細菌の増殖速度も速くなり、危険性が増すので、こういった警報を発令することで注意喚起をするわけですね。

ということで、今回は身近に潜む危険因子の1つである食中毒の原因菌と予防方法についておさらしていきたいと思います。

食中毒ってなに

そもそも食中毒とはなんでしょうか。Wikiでは

食中毒(しょくちゅうどく)とは、有害・有毒な化学物質等毒素を含む飲食物を人が口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称である。

(引用:Wikipedia 食中毒)

と定義しています。つまり

変なモノ食べたらお腹壊した

これくらいの認識で大丈夫です笑

ただ、みなさんのイメージと少し異なるのは食中毒の中には細菌由来だけではなく、化学物質由来のものや自然毒、寄生虫が含まれているといった点でしょうか。今回はその中でも細菌由来のものについて説明していきます。

細菌性食中毒は2種に大別できる

細菌由来の食中毒は細菌性食中毒と呼称されますが、これはさらに2種に大別できます。

それが『感染型』と『毒素型』です。

感染型

細菌に汚染された食品を摂取し、体内で増殖した細菌が悪さをすることで起こる食中毒です。

毒素型

食品内で細菌が産生した毒素を摂取することで起こる食中毒です。

では、それぞれの型に属する原因菌を見ていきましょう。

感染型

病原性大腸菌:ベロ毒素を産生する食中毒菌の代表格

大腸菌は人や家畜の腸内に常在しており、ほとんどは無害です。しかし、まれに病原性を持った大腸菌が出現します。これらの大腸菌は5グループに分けられるのですが、特に出血性大腸菌と呼ばれる大腸菌は危険です。

原因食品

多種の食品。その中でも食肉類、井戸水

特徴

熱や消毒剤に弱い

感染力が高く、少量菌数で発症

予防方法

加熱処理(75℃,1分以上)

二次感染が多く報告されているため、調理器具は十分によく洗う

井戸水を飲用水にしている場合は定期的に水質検査を受ける。どうしても飲用する際は煮沸消毒を行う

腸炎ビブリオ:別名“病原性好塩菌”

“好塩菌”の仲間で名前の通り、塩分濃度が高い場所でよく増殖します(塩分濃度2-5%)。自然環境下では海水に潜んでおり、15℃以上で活動が活発になります。生息環境下から魚介類からの発症がよく報告されています。

過去の報告では汚染された魚介類を調理した手で野菜の塩漬けを作ってしまい、それを食べたことで発症した例もあります。

原因食品

生魚や貝などの魚介類

特徴

高塩濃度でよく増殖(2-5%)

真水や熱に弱い

予防方法

魚介類は真水でよく洗浄する

加熱処理(75℃,1分以上)

増殖スピードが早い部類なので、低温保存は必ず

サルモネラ菌:卵かけご飯での発症例多数あり!

鶏・豚・牛等の動物の腸管や河川・下水道等の自然界に広く分布しています。多くの種類があり、2500以上の血清があることでも有名です。過去には発症には大量の菌数が必要だと考えられていましたが、昨今の研究で少量の菌数でも発症に至ることが判明してきました。

日本人の好きな米と非常に相性の良い生卵に寄生しており、夏場に多大なる犠牲者を出すことでも有名です。卵かけご飯好きでこの菌を知らない方はいないのではないでしょうか。

原因食品

鶏卵、鶏肉、内臓系の生食

特徴

乾燥に強い

熱に弱い

感染力が高く、少量菌数で発症

予防方法

加熱処理(75℃,1分以上)

卵は購入後すぐに冷温保存。また、消費も早い段階で消費する。加熱処理もすると尚安心

ウェルシュ菌:一晩寝かせたカレーに潜む極悪人

人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布し、酸素を嫌う嫌気性細菌です。また、芽胞を形成することで熱を始めとした種々の物理・化学的な要素から身を護ることが可能になります。

給食や飲食店、旅館など多くの人に多くの食材を提供するような施設で食中毒が発生するとまずこれが疑われ、大規模食中毒を引き起こすこともあります。

根底には“加熱すれば大丈夫”という誤った知識がありますので、これを機に加熱調理しても危険だということを知っておきましょう。

原因食品

スープ、シチュー、カレーなどの煮込み料理

(加熱により酸素が放出され、肉類に含まれる還元物質により嫌気状態が保たれるため)

特徴

芽胞を形成するので、非常に熱に強い

酸素がない状態でよく増殖する

予防方法

調理後はすぐ食べる

保存をする場合は短時間冷却・低温保存を心がける。1回で食べる量毎にパウチして保存すると尚安心

よく攪拌しながら調理する(大釜や寸胴鍋を用いた調理では底の方が酸素の薄い状態になりがちなため)

カンピロバクター:ペットからの感染報告あり

食中毒菌の中でも歴史の浅い細菌で、日本では1979年から食中毒菌として取り扱われるようになりました。ペットや野鳥、野生動物が高確率でこの菌を保有しているため、ペットからの感染報告も多数挙げられています。ペットと触れ合った後は必ず手洗い、うがいをするよう励行しましょう。

原因食品

食肉(特に鶏肉)、井戸水

特徴

ペットを始めたとした様々な家畜が保有。近年では、子犬からの感染報告あり

熱に弱い

感染力が高く、少量菌数で発症

予防方法

加熱処理(75℃,1分以上)

調理器具の十分な洗浄

井戸水を飲用水にしている場合は定期的に水質検査を受ける。どうしても飲用する際は煮沸消毒を行う

毒素型

黄色ブドウ球菌:人の代表的な常在菌

人や動物界など自然界に広く分布しています。人では皮膚に常在している菌で、切り傷やすり傷でよく見られます。顕微鏡下で見るとその名前の通り、ブドウの房のように集まっていることからこの名前が付けられました。

菌自体は熱に弱いですが、この菌が産生する毒素であるエンテロトキシンは100℃30分でも分解できないほどに非常に熱に強いです。

産生毒素

エンテロトキシン

原因食品

おにぎり、お弁当、巻き寿司など手を使って調理するもの全般

特徴

熱に強い毒素を産生

手指に常在

予防方法

調理前手指洗浄の徹底

手に傷のある人は調理を禁止する

手をラップで包んでおにぎりを握る

セレウス菌:日本人の米に眠る病原菌

土壌や河川など自然界に広く分布しています。症状により嘔吐型と下痢型の2つに分けられます。芽胞形成菌なので細菌自体も熱に強く、産生される毒素も熱に強いです。

産生毒素

セレウリドやエンテロトキシン

原因食品

穀物加工品やチャーハン、ピラフ

特徴

芽胞を形成するので、非常に熱に強い

増殖至適温度:28-35℃

産生された毒も熱に強い

予防方法

低温保存

1度に大量に調理しない

室温放置後に食べない

ボツリヌス菌:自然界最強の毒素を産生

土壌や河川などの泥砂中に分布している細菌です。酸素のないところで増殖する嫌気性細菌で、熱に非常に強い芽胞を形成する菌でもあります。

特筆すべきは、自然界最強の毒素であるボツリヌス毒素を産生することでしょう。

乳幼児では過去にボツリヌス菌に汚染されたハチミツを摂取したことで亡くなった例があります。十分に注意しましょう。

産生毒素

ボツリヌス毒素

原因食品

びん詰め、発酵食品、真空食品などの酸素が含まれていない形で保存している食品全般

特徴

神経毒であるボツリヌス毒素を産生

酸素がない状態でよく増殖

芽胞を形成するので、非常に熱に強い

予防方法

ビンやカン詰めだからといって決して油断しないことです。保存方法をしっかり見て適切な保存方法で保存しておきましょう。また適切な保存方法であってもカンが膨れていたり、異臭のするものは絶対に食べないようにしましょう。

ボツリヌス毒素は食中毒を起こす毒素の中では若干熱に弱い部類かな?というくらいです。具体的には、80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活しますので食べる直前に十分に加熱すると効果的ですが、毒素が毒素なので怪しいと思った食品は決して食べないことが最善手です。

これからの季節、食中毒がよく発生する時期になります。キチンと理解して調理するよう心がけましょう。

ではまた!

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