1日1m!タケノコの異常なまでの成長スピードの謎に迫る!

タケノコの異常なまでの成長スピードの謎に迫る!

竹は日本人の古き良き友として生活の様々な場で活躍してきました。

葉はおにぎりを包むお弁当箱として、筒は水を入れる水筒としてなど馴染みの深い方もいらっしゃるのではないえでしょうか?

また、ただ単に“食”としても美味で、春先になると親御さんと一緒にタケノコ掘りに行ったことのある読者の方もいるのではないでしょうか?

少しでも伸びると煮ても焼いても食べれないほどに硬くなるので、小さいのが望ましいのですが、目を皿のようにしてもなかなか見つけることはできませんよね笑

そんな竹の話でも有名なのが、竹の子であるタケノコの成長スピードです。

一説によれば1日で真竹で121cm、孟宗竹で119cm伸びたという観察結果も得られており、その異常なまでの成長スピードは他に類を見ません。

今回はそんなタケノコの成長の秘密について書いていきたいと思います。

タケノコが“なぜ”伸びるかは2つ考えることができます。

目的としての“なぜ”と理論としての“なぜ”です。尺が余るのでわざわざ2パターンに分けた

タケノコはなぜ早く伸びるのか?

目的としての“なぜ”

植物はその植物体の維持と成長に光合成を欠かすことができません。

動物でも獲物を食べなくては生きていけないのと同様です。

ということは、植物にとって光合成ができるかどうかは死活問題です。

他の植物が生い茂る中、いかにして自分が光合成の場をとるか。このようなイス取りゲームにおいて植物体は様々な戦略を考えました。

例えば、他の植物より一足先に発芽するもの、一際高く伸びるもの、面白いものでは山火事の後に発芽するように硬い外皮に被われて、機を待つものまでいます。

趣旨から外れますが、光合成の場を取るのを諦めて逆に日陰のようなちょっとしか光の恩恵を受けれない場所でのみよく成長するような植物まで存在します。

竹はこの中でも光合成の場を獲得するために一足早く、そして一際高く伸びるような戦略を取りました。

竹が伸びなければならない理由の1つは光合成の場の獲得のためなのです。

理論としてのなぜ

大部分の植物において、成長となる場は先端部分である“成長点”に存在します。

成長部分にある分裂組織では、活発に細胞分裂を行っています。細胞を増やすことで上へ上へ伸びるのです。

タケノコも他の植物と同様に先端部分に成長点を持っていますが、これ以外にも60個ある節にも成長点が存在していることが知られています。

この成長点がそれぞれ伸びることで一気に節間を伸ばし、上へ上へと伸びるのです。

実は、この節間の伸ばす方式自体はイネ科全体でも見られる傾向なのですが、タケは節を多く持つことでこの効果を最大限得られるようになっています。

他にも植物体自体がそもそも伸びやすい構造を取っていたり、中が空洞なので材料がかからないという点でもアドバンテージを持っています。

栄養はどこから

植物の成長に光合成が必須であることは上述した通りです。

ここで、タケノコをよくよく思い出してください。

タケノコは光合成の場である“葉”がついていたでしょうか?

通常の植物では発芽の際に既に立派な葉を持っています。これを出発点として成長します(発芽までは蓄えた栄養を使う)。

しかし、タケノコには葉がなく、また体色からしても効率的な光合成をしているとは考えにくいですよね。

では、そもそも成長のための栄養はどこから得ているのでしょうか?竹が伸びる原理がわかっても、元手がなければ成長には至りません。

答えは地下にあります。

実はタケノコとその周囲にある竹は子と親の関係ではなく、全く同じの存在(クローン)なのです。

地下には地下茎と呼ばれる根のようなものが張り巡らされており、ここからタケノコが産まれるのです。

竹の本体はこの地下茎にあると言っていいでしょう。

竹はある程度成長すると途端に成長をピタッと止めてあとは光合成をするだけになります。

その光合成は自分の成長には使わずに地下茎へと溜め込むのです。

ここで溜め込んだ栄養が次代のタケノコに使われます。これがタケノコの栄養の正体です。

ちなみに地下茎は1年につき約8m伸びますので、竹林林の近くに住居を構えている方はご注意ください。ある朝起きたら畳を突き破ってタケが生えていたなんて笑い話も存在します笑

タケノコのすさまじいまでの成長スピードを紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

ではまた!

   関連記事はこちらから
小さな身体に宿る圧倒的な耐久性!クマムシについて 生物界世界最強ランキングの中で“守”の分野でトップに挙がる生物として、クマムシがよく話題...
なぜ植物は緑色をしているのか?緑色光を使わないワケ 前回は海藻の色の多様性について触れましたが、今回は逆になぜ陸上植物は緑色ばかりなのかを...
寒さの中で野菜はなぜ甘味を増すのか? 寒い冬を乗り越えるために 私達ヒトでは脳の視床下部に体温調節中枢があり、核深温が基準温を下...

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする